ゆりの花GUIDE

認知症対応のホームの選び方 ― グループホームと他施設の違い

2026年5月29日

家族が認知症と診断され、在宅での介護が難しくなってきたとき、「どんな施設を選べばいいのか」は多くのご家族が直面する悩みです。認知症の方が入れる施設にはいくつか種類があり、それぞれ対象も費用も役割も違います。この記事では、認知症ケアに特化した「グループホーム」を中心に、ほかの施設との違いと選び方のポイントを整理します。

※本記事は施設種別の一般的な解説です。入居条件や受け入れ可否は施設・自治体によって異なります。具体的な検討は、担当のケアマネジャーや希望する施設へ直接ご相談ください。

認知症ケアに特化した「グループホーム」とは

グループホーム(正式名称:認知症対応型共同生活介護)は、認知症の高齢者に特化した小規模の介護施設です。1つの共同住居に5〜9人程度の少人数で暮らし、認知症介護の知識と技術を持つスタッフのサポートを受けながら共同生活を送ります。

少人数で家庭的な環境のため、なじみの関係を築きやすく、認知症の方が落ち着いて過ごしやすいのが特徴です。「できることはご自身で続ける」ことを大切にし、料理や掃除などの役割を分担しながら、認知機能の維持や進行の緩和を重視します。

グループホームの入居条件

グループホームに入居するには、次の条件を満たす必要があります。検討の前に、まずここを確認しておきましょう。

  • 要支援2、または要介護1〜5の認定を受けている:自立・要支援1の方、認定を受けていない方は入居できません。
  • 医師から認知症の診断を受けている:認知症に特化した施設のため、診断が前提になります。
  • 施設と同じ市区町村に住民票がある:グループホームは「地域密着型サービス」のため、原則として施設のある市区町村の住民が対象です。
  • 原則65歳以上:ただし40〜64歳でも特定疾病に該当する場合は入居できることがあります。
  • 共同生活に支障がない:少人数の共同生活のため、状態によっては受け入れが難しい場合もあります。

とくに見落とされやすいのが「住民票」の条件です。遠方に住む親を自分の住む市区町村のグループホームに呼び寄せたい、という場合は原則の対象外となるため、事前に施設・自治体へ確認が必要です。

他の施設との違い ― どう使い分ける?

認知症の方が入れる施設はグループホームだけではありません。主な違いを押さえておくと、選びやすくなります。

グループホーム

対象は認知症の高齢者に限定。少人数・家庭的な環境で、認知機能の維持・進行緩和を重視します。住み慣れた地域で暮らし続けたい、認知症に特化したケアを受けたい方に向きます。

特別養護老人ホーム(特養)

認知症の有無に関係なく、常時介護が必要で在宅生活が困難な方が対象の公的施設です。原則として要介護3以上が対象で、重度の方も受け入れます。費用を抑えやすい一方、入居希望者が多く待機が生じることがあります。

住宅型有料老人ホーム

自立に近い方から要介護の方まで幅広く受け入れ、生活支援サービス付きの住まいとして暮らせます。外部の訪問介護・訪問看護などを組み合わせて利用するのが基本で、自由度が高いのが特徴です。医療・介護の連携体制が整った施設を選べば、認知症の方も安心して暮らせます。

選ぶときのポイント

  1. 本人の状態に合っているか:認知症の進行段階、医療的ケアの必要性、共同生活への適性を確認する。
  2. 立地・面会のしやすさ:ご家族が通いやすい場所かどうかは、入居後の関わりの質を左右します。
  3. 費用と内訳:月額費用に加え、初期費用や介護保険・医療保険の自己負担分も含めて確認する。
  4. ケアの方針・雰囲気:見学して、スタッフの対応や入居者の様子、施設の考え方が本人に合うかを実際に感じる。

進行段階によって「在宅を続ける」「グループホーム」「特養」など適した選択肢は変わります。今すぐ施設を決めなくても、段階ごとの選択肢を早めに知っておくと、いざというときに慌てずに動けます。

迷ったら、専門職に相談を

「うちの場合はどの施設が合うのか」を一人で判断するのは難しいものです。担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談すれば、本人の状態や地域の空き状況をふまえた助言が得られます。複数の施設を見学し、比較したうえで選ぶことをおすすめします。

ゆりの花グループでは、住宅型有料老人ホームの運営や、在宅を支える訪問サービスを提供しています。施設選びや在宅との組み合わせについても、お気軽にご相談ください。


【補足】本記事の施設種別・入居条件は、介護保険制度における一般的な分類にもとづく概要です。実際の入居条件・受け入れ可否・費用は、施設や自治体によって異なります。検討にあたっては、担当のケアマネジャー・地域包括支援センター・希望する施設へ直接ご確認ください。