訪問看護のオンコールとは:夜間・休日の体制と報酬のしくみ
訪問看護のオンコールを看護師向けに解説。連絡の受け方と緊急訪問の流れ、緊急時訪問看護加算・24時間対応体制加算のしくみと計算例、負担軽減の取組の要件、待機時間と労働時間の考え方を公的資料で整理しました。
訪問看護のオンコールとは、訪問看護ステーションが利用者や家族からの電話等に営業時間外も常時応じ、必要に応じて緊急に訪問できるよう、看護師等が交代で連絡を受けて待機する体制である(厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会資料「訪問看護」、2026年)。この体制を整えた訪問看護ステーションは、介護保険では緊急時訪問看護加算(月 600単位または 574単位)、医療保険では 24時間対応体制加算(月 6,800円または 6,520円)を算定できる(同、2026年/令和8年厚生労働省告示第74号、2026年)。
病棟から訪問看護に関心を持った看護師が、最初に気にすることが多いのがオンコールです。「夜にどんな連絡が来るのか」「1 人で判断するのか」「待機の時間はどう扱われるのか」。この記事では、オンコールの中身と夜間対応の流れ、オンコールに関わる報酬(加算)のしくみと計算例、2024年度の改定で加わった負担軽減の取組の要件、待機時間と労働時間の考え方を、厚生労働省の資料をもとに整理しました。特定の事業者の勤務条件ではなく、全国に共通する制度とデータの解説です。
訪問看護の費用のしくみ全体(利用者側の自己負担)は 訪問看護の費用と自己負担の計算例 で扱っています。
訪問看護のオンコールとは:するのは「連絡を受けて判断すること」
結論:オンコールの中心は、夜間・休日に利用者や家族から入る電話等に応じ、状態を聞き取って次の行動を決めることです。理由:介護保険の緊急時訪問看護加算の要件は「利用者又はその家族等から電話等により看護に関する意見を求められた場合に常時対応できる体制にあること」で、まず求められているのは連絡・相談に常時応じる体制です(厚生労働省 介護給付費分科会資料「訪問看護」2026年、出典1)。
連絡を受けた看護師が決めることは、大きく 4 つに分かれます。
- 電話での助言で足りる:薬の飲み方、発熱時の様子の見方、医療機器のアラームの確認など。
- 緊急に訪問する:状態を直接確かめる必要がある、処置が必要など。
- 主治医に連絡する:指示の確認や往診の依頼が必要なとき。
- 救急要請を勧める:命に関わる状態が疑われるとき。
しないこともあります。看護師は医師の指示なく診断や処方の変更はできません。また、オンコールは利用者と家族のための体制で、ケアマネジャーや施設からの事務連絡の窓口ではありません。夜間の連絡を必要最小限にするため、日中の訪問のときに「夜はどのようなときに電話するか」を利用者・家族と決めておくことも、オンコールの質を左右する準備です。
なお、在宅で看取りを迎える利用者がいる時期は、夜間の連絡が増えやすくなります。家族に向けた看取りの準備は 在宅の看取りの準備 にまとめています。
連絡が来る利用者:契約した人に限られる。どちらの保険の加算かを判断する
オンコールの連絡を受けるのは、24時間の連絡体制について説明を受け、同意して契約した利用者と家族です。加算は利用者ごとに月単位で算定し、どちらの保険の加算になるかは、その利用者の訪問看護が介護保険か医療保険かで決まります。
| 質問 | はい | いいえ |
|---|---|---|
| 1. 利用者は要介護・要支援の認定を受けていますか | 質問 2 へ | 医療保険の訪問看護。24時間対応体制加算の対象(出典2) |
| 2. 末期の悪性腫瘍など厚生労働大臣が定める疾病等、または主治医の特別訪問看護指示書の期間(原則月 1 回・14 日以内)に当たりますか | その間は医療保険の訪問看護。24時間対応体制加算の対象(出典2) | 質問 3 へ |
| 3. 介護保険の訪問看護で、利用者が 24時間の連絡体制に同意していますか | 介護保険の緊急時訪問看護加算の対象(出典1) | 加算の対象にならない(オンコールの連絡先として扱わない) |
同じステーションの中に、介護保険の利用者と医療保険の利用者が混在するのがふつうです。オンコールの当番は、どちらの利用者からの連絡も受けます。訪問看護が介護保険と医療保険のどちらで動くかの詳しい判断は、訪問看護の費用と自己負担の計算例 の判断表も参考にしてください。
報酬のしくみ:緊急時訪問看護加算と 24時間対応体制加算(計算例)
オンコールの体制そのものは、利用者ごとに月 1 回の加算で評価されます。緊急に訪問したときは、そのつど訪問の費用(介護保険の訪問看護費、医療保険の訪問看護基本療養費など)と、時間帯による加算が別に算定されます。
| 保険 | 加算 | 負担軽減の取組あり | 取組なし | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 介護保険(訪問看護ステーション) | 緊急時訪問看護加算(月 1 回) | 加算(Ⅰ)600単位 | 加算(Ⅱ)574単位 | 厚生労働省 2026年(2024年6月以降の単位数)(出典1) |
| 介護保険(病院・診療所) | 同 | 加算(Ⅰ)325単位 | 加算(Ⅱ)315単位 | 同(出典1) |
| 医療保険(訪問看護ステーション) | 24時間対応体制加算(月 1 回) | イ 6,800円 | ロ 6,520円 | 令和8年厚生労働省告示第74号(2026年6月1日適用)(出典2) |
2024年度の改定で、介護保険・医療保険ともに「夜間に対応する看護師等の負担を軽くする取組をしているか」で区分が分かれ、2026年6月の改定後も医療保険はイ 6,800円・ロ 6,520円のままです(出典1・出典2)。取組の中身は次の節で説明します。
計算例 1(利用者の自己負担。介護保険の加算(Ⅰ)、1単位10円の地域、1 割負担)
600単位×10円=6,000円。1 割負担で月 600円、2 割で 1,200円、3 割で 1,800円が目安です(出典1)。1単位の単価は地域区分で変わります。沖縄県内は地域区分「その他」で、訪問看護は 1単位 10円です(厚生労働省 介護給付費分科会資料「地域区分の適用地域(令和6〜8年度)」、出典9)。医療保険の 24時間対応体制加算イ(6,800円)なら、1 割で 680円、3 割で 2,040円です(出典2)。
計算例 2(事業所の 1 か月の加算額。1単位10円の地域で、24時間の連絡体制に同意した利用者が介護保険 25 人・医療保険 10 人の場合)
取組ありの区分:介護保険 6,000円×25 人=150,000円、医療保険 6,800円×10 人=68,000円、合計 218,000円。取組なしの区分:介護保険 5,740円×25 人=143,500円、医療保険 6,520円×10 人=65,200円、合計 208,700円。差は月 9,300円です(出典1・出典2をもとにした試算)。
計算例 2 から分かるのは、負担軽減の取組が報酬の区分に結びついていることです。働く側から見ると、職場が加算(Ⅰ)・イを算定しているかは、夜間対応の負担を軽くする取組を届け出ているかの目安になります。2026年度の改定では、精神科訪問看護を地域と連携して行うステーションを評価する機能強化型訪問看護管理療養費 4 が新設され、その施設基準に「24時間対応体制加算の届出及び休日、祝日等も含めた計画的な訪問看護の実施」が入るなど、24時間対応は事業所の評価の前提としても扱われています(厚生労働省 令和8年度診療報酬改定「質の高い訪問看護の推進」、出典3)。
負担を軽くする取組:届出の 6 項目と、職場の体制を確かめる質問
介護保険の緊急時訪問看護加算(Ⅰ)、医療保険の 24時間対応体制加算イとも、次のア〜カのうち「ア又はイを含む 2 項目以上」を満たすことが求められます(厚生労働省 訪問看護療養費の留意事項通知 2026年、介護報酬の留意事項通知 2024年、出典7・出典8)。
- ア 夜間対応した翌日の勤務間隔の確保
- イ 夜間対応に係る勤務の連続回数が 2 連続(2 回)まで
- ウ 夜間対応後の暦日の休日確保
- エ 夜間勤務のニーズを踏まえた勤務体制の工夫
- オ ICT、AI、IoT 等の活用による業務負担軽減
- カ 電話等による連絡及び相談を担当する者に対する支援体制の確保
介護保険の緊急時訪問看護加算(Ⅰ)の要件は「緊急時訪問における看護業務の負担の軽減に資する十分な業務管理等の体制の整備が行われていること」と定められ、その具体的な中身が上の 6 項目です(出典1・出典8)。この 6 項目は、働く側が職場の体制を確かめる質問としてそのまま使えます。
| 確かめる質問 | 対応する項目 | 答えが「はい」なら |
|---|---|---|
| 1. 夜間に訪問した翌日は、始業を遅らせるなど勤務の間隔をとる決まりがありますか | ア | 夜間対応のあとの休息が制度として確保されている |
| 2. 夜間対応の当番は、連続 2 回までになっていますか | イ | 当番が続いて休めない状態を避ける決まりがある |
| 3. 夜間対応のあと、暦日の休日をとれますか | ウ | 深夜の訪問後に丸 1 日休める |
| 4. 夜間の連絡が多い利用者や時期に合わせて、当番の人数や組み方を変えていますか | エ | 負担が特定の人に偏りにくい |
| 5. 利用者の記録や指示を、待機中にスマートフォンなどで確認できますか | オ | 事業所に戻らずに判断の材料を見られる |
| 6. 判断に迷ったとき、管理者や 2 番手に相談できる決まりがありますか | カ | 1 人で抱え込まずに判断できる |
加えて、24時間対応体制加算の届出書には、ア〜カのどれを満たしているかを記入する欄があります(近畿厚生局の届出様式、出典4)。見学や面談のときに「24時間対応体制加算はイとロのどちらですか」「どの取組を届け出ていますか」とたずねると、体制を具体的に確認できます。
夜間に連絡が来たときの流れ:マニュアルに入れておく 5 つの手順
オンコールの対応は、事業所ごとのマニュアルに沿って行います。看護師等以外の職員が電話を受ける場合は、マニュアルの整備が条件で、医療保険の届出書にも記入欄があります(近畿厚生局の届出様式、出典4)。多くのマニュアルに共通する手順は次の 5 つです。
- 受ける:利用者の氏名と連絡者、いまの状態(意識・呼吸・痛み・発熱・出血など)、いつからか、を聞き取ります。看護師等以外の職員が受けた場合は、すぐに保健師または看護師に報告し、緊急訪問の必要性は保健師または看護師が判断します(出典1・出典4)。
- 情報を見る:訪問看護計画、主治医の指示書、直近の訪問記録、看取りの方針や救急搬送の希望の有無を確認します。
- 決める:電話での助言、緊急訪問、主治医への連絡、救急要請のどれにするかを決めます。迷うときは、事業所で決めた相談先(管理者など)に連絡します。
- 動く・つなぐ:訪問した場合は観察と処置を行い、必要に応じて主治医に報告して指示を受けます。
- 残す・引き継ぐ:連絡の内容、判断、行ったことを記録し、翌朝の担当者と管理者に引き継ぎます。看護師等以外の職員が受けた連絡も、保健師・看護師への報告と記録が必要です(出典1)。
現場でつまずきやすい点
1 つ目は、日中に決めておくべきことが決まっていないことです。救急搬送を希望するか、どの段階で主治医に連絡するかが共有されていないと、夜間の判断が重くなります。新しい利用者の契約時と、状態が変わったときに確認しておくことが、オンコールの負担を減らすことにつながります。
2 つ目は、記録と引き継ぎが翌日の勤務を圧迫することです。待機中に記録をスマートフォンで入力できる体制(取組のオ)や、夜間対応の翌日の勤務間隔の確保(取組のア)は、この点を軽くするための項目です(出典7・出典4)。
労働時間の考え方と、病棟の夜勤との違い
結論:オンコールの待機の時間が労働時間に当たるかは、待機の実態で決まります。理由:厚生労働省のガイドラインは、労働時間を「使用者の指揮命令下に置かれている時間」とし、「使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間(いわゆる『手待時間』)」を労働時間の例としています(「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」2017年、出典5)。
電話に応じた時間や、緊急に訪問して記録するまでの時間は、業務に従事している時間です。一方、自宅などで過ごす待機の時間は、過ごす場所や行動の制約、呼び出しの頻度、すぐに業務に就くことを求められる程度などによって判断が分かれます。どのように扱われるかは、勤務先の就業規則と雇用契約で確認し、疑問があれば労働基準監督署に相談してください。
病棟の夜勤とオンコールの違いを、同じ項目で並べます。
| 項目 | 病棟の夜勤 | 訪問看護のオンコール |
|---|---|---|
| 過ごす場所 | 病棟(勤務場所) | 自宅などで待機し、連絡を受ける |
| 勤務時間の扱い | 勤務表で決まった勤務時間 | 連絡に応じた時間・訪問の時間は業務。待機の時間の扱いは実態で判断(出典5) |
| 判断する人 | 夜勤の看護師チームと当直医 | 当番の看護師が電話で判断し、必要に応じて主治医・管理者に連絡 |
| 見る情報 | 病棟の記録とモニター | 訪問看護計画・指示書・訪問記録(携帯端末で見る事業所もある) |
| 翌日の勤務 | 夜勤明けとして勤務表に組み込まれる | 夜間対応の翌日の勤務間隔の確保などは、届け出た取組による(出典7・出典8) |
| 報酬との関係 | 入院基本料などの施設基準の一部 | 利用者ごとの月 1 回の加算(緊急時訪問看護加算・24時間対応体制加算)(出典1・出典2) |
地域で見る:訪問看護ステーションの数と、1 事業所あたりの看護職員
オンコールの負担は、当番を何人で回すかに左右されます。厚生労働省の資料によると、2024年(令和6年)の訪問看護ステーション 1 事業所あたりの常勤換算の従事者は 8.1 人、そのうち看護職員は 5.8 人で、看護職員が 5 人以上のステーションは増える傾向にあります(厚生労働省 介護給付費分科会資料「訪問看護」2026年、出典1)。単純に計算すると、看護職員 5.8 人で 1 か月 30 日の夜間を均等に分けた場合、1 人あたり月 5 回強の当番になります(30÷5.8≒5.2。出典1をもとにした試算で、実際の回数は事業所の体制と雇用形態で異なります)。
介護保険の訪問看護を請求した事業所(病院・診療所を含む)のうち、訪問看護ステーションで緊急時訪問看護加算を算定したのは、2025年10月サービス提供分で加算(Ⅰ)が 9,052 事業所(51.9%)、加算(Ⅱ)が 5,953 事業所(34.2%)、合わせて 86.1%です(出典1)。2025年4月審査分の算定事業所数は 14,827 か所(算定事業所の割合 88%)で、増える傾向にあります(出典1)。
沖縄県・静岡県の訪問看護の事業所数は、厚生労働省 介護サービス情報公表システムの公表データを集計した、ゆりの花GUIDE の数字を表示しています。
| 地域 | 事業所数 | 基準 |
|---|---|---|
| 全国 | 17,958 | 2025年12月 |
| 静岡県 | 364 | 2025年12月 |
| 沖縄県 | 253 | 2025年12月 |
47 都道府県別の事業所数は 訪問看護の事業所数(47都道府県別) で、地域ごとの事業所は 訪問看護を探す から確認できます。事業所の規模(看護職員の人数)は、介護サービス情報公表システムの各事業所のページにも載っています。
まとめ(判断の要点 3 つ)
- 訪問看護のオンコールは、営業時間外に利用者・家族からの電話等に常時応じ、電話での助言・緊急訪問・主治医への連絡・救急要請のどれにするかを判断する体制。介護保険の訪問看護の請求事業所のうち、ステーションで緊急時訪問看護加算を算定しているのは 86.1%(2025年10月サービス提供分、出典1)。
- 報酬は利用者ごとの月 1 回の加算。介護保険は加算(Ⅰ)600単位・(Ⅱ)574単位、医療保険は 24時間対応体制加算イ 6,800円・ロ 6,520円で、区分の差は「夜間対応の負担軽減の取組」の有無(出典1・出典2)。
- 職場の体制は、届出の 6 項目(翌日の勤務間隔、連続 2 回まで、暦日の休日、勤務体制の工夫、ICT、相談の支援体制)で確かめられる。待機の時間の扱いは実態で判断されるため、就業規則で確認する(出典7・出典8・出典5)。
次に読む記事:訪問看護の費用と自己負担の計算例、在宅の看取りの準備。看護師向けの記事の一覧は 看護師の方へ にまとめていきます。
この記事は、介護報酬・診療報酬の改定の告示・通知が出たときに更新します。次回の確認予定は 2027年4月です。
ここからは、この記事の一般的な情報とは別の、運営者からのお知らせです。ゆりの花GUIDE を運営するゆりの花グループ(株式会社ゆりの花・株式会社沖縄ゆりの花)は、沖縄と静岡で訪問看護の立ち上げを準備しています。関心のある看護師の方からのご連絡を、ゆりの花GUIDE の公式 LINE で受け付けています(受付 9:00〜18:00)。募集を始めるときは、勤務地・業務の内容・勤務時間・賃金などの条件を、募集のページで別にお示しします。
公式 LINE を友だち追加 看護師の方へ(案内ページ)よくある質問
訪問看護のオンコールでは、何をするのですか。
営業時間外に、利用者や家族からの電話等による相談を受け、状態を聞き取って、電話での助言で足りるか、緊急に訪問するか、主治医への連絡や救急要請が必要かを判断します。介護保険の緊急時訪問看護加算の要件は「利用者又はその家族等から電話等により看護に関する意見を求められた場合に常時対応できる体制にあること」です(厚生労働省 介護給付費分科会資料「訪問看護」2026年、出典1)。訪問したときは、訪問の記録と、翌日の担当者への引き継ぎまでが一連の仕事です。
オンコールの体制をとっている訪問看護ステーションは、どのくらいありますか。
2025年10月のサービス提供分(令和7年11月審査分)で、介護保険の訪問看護を請求した事業所(病院・診療所を含む)のうち、訪問看護ステーションで緊急時訪問看護加算を算定したのは、加算(Ⅰ)が 9,052 事業所(51.9%)、加算(Ⅱ)が 5,953 事業所(34.2%)で、合わせて 86.1%です(厚生労働省 介護給付費分科会資料「訪問看護」2026年、出典1)。多くのステーションが 24時間の連絡体制をとっていることになります。都道府県別の訪問看護の事業所数は、ゆりの花GUIDE の訪問看護の事業所数(47都道府県別)で確認できます。
オンコールの待機時間は、労働時間になりますか。
待機の実態で決まります。厚生労働省のガイドラインは、労働時間を「使用者の指揮命令下に置かれている時間」とし、「使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間(いわゆる『手待時間』)」を労働時間の例に挙げています(「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」2017年、出典5)。電話を受けて対応した時間や緊急訪問の時間は業務に従事する時間です。自宅などで過ごす待機の時間がどう扱われるかは、場所や行動の制約、呼び出しの頻度などで判断が分かれるため、勤務先の就業規則と、必要なら労働基準監督署に確認してください。
看護師以外の職員がオンコールの電話を受けてもよいのですか。
2024年度の改定から、条件を満たせば、24時間対応の電話等による連絡・相談を、保健師・看護師以外の職員が担当できるようになりました。介護保険の要件は、対応マニュアルの整備、緊急訪問の必要性を保健師または看護師が速やかに判断できる連絡体制と緊急訪問ができる体制、担当する職員の勤務体制・勤務状況の明示、保健師・看護師への報告と記録、利用者・家族への説明と同意などです(厚生労働省 介護給付費分科会資料「訪問看護」2026年、出典1)。医療保険の届出書にも、マニュアル・連絡体制・勤務体制を記入する欄があります(近畿厚生局の届出様式、出典4)。緊急訪問をするかどうかの判断は、保健師または看護師が行います。
オンコールのない働き方はありますか。
あります。オンコールの当番に入るかどうか、何回入るかは、事業所の体制と雇用契約で決まります。介護保険の訪問看護を請求した事業所のうち、緊急時訪問看護加算を算定していない事業所も約 1 割あり(2025年4月審査分で、算定事業所の割合は 88%、出典1)、当番に入らない勤務形態を設けている事業所もあります。働く前に、当番の有無と回数、夜間対応の翌日の勤務の扱いを確認してください。確認する点は本文の判断表にまとめています。
ゆりの花グループ(静岡・沖縄)の介護・訪問マッサージの現場の知見をもとに、公的資料を確認して編集しています。
公開 2026年10月30日/更新 2026年10月30日/内容確認 2026年10月25日
出典・参考
- 社会保障審議会介護給付費分科会(第259回)資料3「訪問看護」(緊急時訪問看護加算(Ⅰ)600単位・(Ⅱ)574単位(訪問看護ステーション)、325・315単位(病院・診療所)、加算(Ⅰ)の要件、算定状況(令和7年11月審査分:(Ⅰ)9,052 事業所 51.9%、(Ⅱ)5,953 事業所 34.2%。割合は請求事業所全体に対するもの)、算定事業所数 14,827・算定事業所の割合 88%(令和7年4月審査分)、1 事業所あたり常勤換算 8.1 人・看護職員 5.8 人(令和6年)、看護師等以外の職員による電話対応の条件) 厚生労働省 老健局 2026年(令和8年6月29日)。2026年10月25日閲覧
- 令和8年厚生労働省告示第74号「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部を改正する件」(24時間対応体制加算 イ 負担軽減の取組を行っている場合 6,800円、ロ イ以外の場合 6,520円。令和8年6月1日から適用) 厚生労働省 2026年(令和8年3月5日)。九州厚生局の掲載で確認。2026年10月25日閲覧
- 令和8年度診療報酬改定「9. 質の高い訪問看護の推進」(機能強化型訪問看護管理療養費 4 の新設と施設基準「24時間対応体制加算の届出及び休日、祝日等も含めた計画的な訪問看護の実施」) 厚生労働省 2026年。2026年10月25日閲覧
- 別紙様式2「24時間対応体制加算・特別管理加算に係る届出書(届出・変更・取消し)」(負担軽減の取組ア〜カの記入欄(ア又はイは必須)、看護師等以外の職員が電話等に対応する場合のマニュアル・連絡体制・勤務体制の記入欄) 厚生労働省 近畿厚生局 2026年(令和8年度様式)。2026年10月25日閲覧
- 「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(労働時間は使用者の指揮命令下に置かれている時間、いわゆる手待時間の例示) 厚生労働省 2017年(平成29年1月20日策定)。2026年10月25日閲覧
- ゆりの花GUIDE「訪問看護の事業所数(47都道府県別)」(厚生労働省 介護サービス情報公表システムの公表データを集計。基準月は表に表示) ゆりの花GUIDE 2026年(月次更新)
- 「訪問看護療養費の算定方法及びその留意事項について」等の一部改正(保発0305第19号。24時間対応体制加算イの負担軽減の取組はア〜カのうちア又はイを含む 2 項目以上) 厚生労働省 保険局長 2026年(令和8年3月5日)。九州厚生局の掲載で確認。2026年10月25日閲覧
- 令和6年度介護報酬改定の留意事項通知(新旧対照。緊急時訪問看護加算(Ⅰ)を算定する場合はア又はイを含むいずれか 2 項目以上を満たす必要、ア〜カは医療保険と同じ) 厚生労働省 老健局 2024年。2026年10月25日閲覧
- 社会保障審議会介護給付費分科会(第243回)資料1「令和6年度から令和8年度までの間の地域区分の適用地域」(1〜7 級地に沖縄県の市町村なし。その他の地域の訪問看護は 1 単位 10円) 厚生労働省 老健局 2024年(令和6年12月23日)。2026年10月25日閲覧
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本記事は公開時点の制度・公的資料にもとづいています。制度は改定されることがあるため、最新の内容は各自治体・厚生労働省の案内でご確認ください。個別の状況については、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターにご相談ください。