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訪問看護の費用と自己負担の計算例。医療保険と介護保険の違い

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訪問看護の費用は、介護保険か医療保険かと、訪問時間・回数・負担割合で決まります。2024年改定の単位数と療養費をもとに、1割負担の計算例、どちらの保険になるかの判断表、静岡県と沖縄県の事業所数をまとめました。

訪問看護とは、看護師などが利用者の自宅を訪問し、主治医の指示にもとづいて療養上の世話や診療の補助を行うサービスです(出典1)。介護保険法にもとづく訪問看護と、健康保険法などにもとづく医療保険の訪問看護があり、どちらを使うかは年齢・要介護認定の有無・病状で制度上決まります。

訪問看護を検討するとき、最初に気になるのは「月にいくらかかるのか」です。ただ、訪問看護の費用は一つの金額で答えられません。介護保険を使うのか医療保険を使うのかで計算のしくみが変わり、さらに訪問の時間・回数・負担割合・住んでいる地域で金額が動くからです。

この記事では、2024年(令和6年)改定の単位数と療養費をもとに、費用がどう決まるかを順に説明し、1割負担の計算例を示します。あわせて、介護保険と医療保険のどちらになるかを3つの質問で判断する表と、静岡県・沖縄県の事業所数(厚生労働省の公表データ)を載せています。金額はいずれも目安で、実際の額は事業所の重要事項説明書と見積もりで確認してください。

訪問看護の費用を決める4つの要素

訪問看護の費用は、次の4つで決まります。

  1. どちらの保険を使うか(介護保険か医療保険か)
  2. 1回の訪問時間(介護保険)または訪問した日数(医療保険)
  3. 自己負担の割合(1〜3割)
  4. 加算(夜間・早朝・緊急時・24時間対応・医療処置の管理など)と、保険外の実費(交通費・衛生材料など)

介護保険は「単位数×地域ごとの単価」、医療保険は「療養費(円)」で計算します。このため、同じ30分の訪問でも使う保険が違えば金額の出方が変わります。次の見出しから、順に見ていきます。

介護保険で使う場合の費用(1回あたりの単位数と計算例)

介護保険の訪問看護は、1回の訪問時間で単位数が決まります。2024年(令和6年)改定の訪問看護ステーションからの訪問は次のとおりです(出典2)。

訪問時間(訪問看護ステーション)単位数1割負担の目安(1単位10円の地域)
20分未満314単位314円
30分未満471単位471円
30分以上1時間未満823単位823円
1時間以上1時間30分未満1,128単位1,128円
理学療法士等による訪問(1回)294単位294円

病院・診療所からの訪問は、それぞれ 266・399・574・844単位です(出典2)。20分未満の区分は、20分以上の訪問を週1回以上含む場合に使えます(出典1)。

計算例(30分以上1時間未満の訪問を週2回、1か月4週、1割負担、1単位10円の地域)
823単位×8回=6,584単位。1単位10円なら 65,840円が総額で、1割負担の自己負担は 6,584円です。ここに加算が付きます。たとえば緊急時訪問看護加算(Ⅰ)600単位・月(出典2)を付ければ、自己負担は 600円増えて 7,184円です。

地域による違いもあります。1単位の単価は地域区分で 10.00円(その他)から 11.40円(1級地)まで差があり(出典3)、同じ単位数でも都市部では最大 14%ほど高くなります。お住まいの市区町村の級地は、市区町村の介護保険担当課か事業所で確認できます。

介護保険には区分支給限度額があり、訪問看護はその枠の中でほかのサービスと一緒に使います。枠を超えた分は全額自己負担です。ケアマネジャーがケアプランで枠内に収まるよう調整します。

医療保険で使う場合の費用(療養費と週3日の制限)

医療保険の訪問看護は、訪問した日ごとの「訪問看護基本療養費」と、月ごとの「訪問看護管理療養費」で計算します。2024年(令和6年6月)改定の主な金額は次のとおりです(出典4)。

項目金額(10割)1割負担の目安
訪問看護基本療養費(Ⅰ)看護師等・週3日目まで(1日)5,550円555円
同・週4日目以降(1日)6,550円655円
訪問看護管理療養費・月の初日7,670円767円
同・月の2日目以降(1日)3,000円300円

計算例(週2回、1か月8日、1割負担。金額は出典4、2024年6月改定)
基本療養費 5,550円×8日=44,400円、管理療養費 7,670円+3,000円×7日=28,670円。合計 73,070円で、1割負担なら自己負担は 7,307円です。24時間対応体制加算や緊急訪問看護加算が付けば、その分が加わります。

自己負担の割合は、健康保険法などで定められ、加入している医療保険と年齢・所得で決まります(2026年10月時点の制度)。70歳未満は原則3割、70〜74歳は原則2割、75歳以上の後期高齢者医療は原則1割(一定以上の所得がある方は2割または3割)です。訪問回数は原則として週3日までですが、厚生労働大臣が定める疾病等(末期の悪性腫瘍、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症など)に該当する方や、病状が急に悪化して主治医が特別訪問看護指示書を出した期間は、この制限がなくなります。

介護保険と医療保険のどちらになるか(3つの質問で判断)

どちらの保険を使うかは、本人が選ぶのではなく制度上決まります。次の3つの質問で、おおよその当たりが付きます。

質問はいいいえ
1. 要支援・要介護の認定を受けていますか質問2へ医療保険(年齢を問わない。40歳未満や小児も)
2. 厚生労働大臣が定める疾病等(末期の悪性腫瘍、神経難病など)に該当しますか医療保険(週3日の制限なし)質問3へ
3. 病状が急に悪化し、主治医が特別訪問看護指示書を出していますかその期間は医療保険(最長14日、月1回が原則)介護保険(ケアプランの範囲内)

要介護認定があれば介護保険が優先、というのが原則で、例外が質問2と3です。がんの末期で在宅療養に入る方の多くは、要介護認定があっても医療保険の訪問看護になります。「癌末期で訪問看護を使うと医療保険の費用はいくらか」という検索が多いのはこのためで、前の見出しの医療保険の計算に、特別管理加算や24時間対応体制加算が加わる形が一般的です。

どちらになるかの最終判断は、事業所とケアマネジャー、主治医が確認します。ご家族が判断する必要はありませんが、しくみを知っておくと、見積もりの読み方が分かります。

費用を抑える公的な制度と、見落としやすい実費

自己負担には上限があります。介護保険には高額介護サービス費(月ごとの自己負担の上限)、医療保険には高額療養費(月ごとの医療費の上限)があり、超えた分は申請で戻ります(出典5)。両方を使っている世帯は、年単位で合算する高額医療・高額介護合算療養費制度も使えます。難病の医療費助成や自立支援医療の対象になる方は、訪問看護の自己負担がその制度の上限に収まる場合があります。

一方で、保険の計算に入らない実費があります。事業所によって、交通費、衛生材料費、保険外の長時間訪問などが別に請求されます。重要事項説明書に「その他の費用」として書かれているので、契約前に確認してください。医療費控除については、医療保険の訪問看護の自己負担は対象で、介護保険の訪問看護も医療系サービスとして対象になります(確定申告の際は領収書を保管してください)。

利用までの手順と、現場でよくあるつまずき

利用の流れは、相談 → 主治医の訪問看護指示書 → 事業所との契約 → 訪問開始です。介護保険ならケアマネジャーがケアプランに組み込み、医療保険なら主治医または病院の相談室から事業所につなぎます。指示書は主治医が事業所に交付するもので、利用者が取りに行く必要はありません。

現場でつまずきやすい点が2つあります。1つ目は、退院に合わせて訪問を始めたいのに指示書の準備が間に合わないことです。入院中に病院の地域連携室へ「退院後に訪問看護を使いたい」と伝えておくと、退院前のカンファレンスで指示書の手配まで進みます。2つ目は、介護保険の区分支給限度額の読み違いです。訪問介護やデイサービスをすでに枠いっぱいに使っていると、訪問看護を足した分が全額自己負担になります。ケアマネジャーに「訪問看護を入れた場合の限度額内の組み方」を先に相談してください。退院直後の組み立て方は入院から自宅へ。退院後3か月の介護サービスの組み立て方で扱っています。

静岡県・沖縄県で訪問看護を探す(事業所数は公表データから)

訪問看護の事業所数は、厚生労働省「介護サービス情報公表システム」の公表データをもとに、ゆりの花GUIDE が集計しています。下の表は最新の集計で自動的に更新されます。

訪問看護の事業所数(厚生労働省 介護サービス情報公表システム)
地域事業所数基準
全国17,9582025年12月
静岡県3642025年12月
沖縄県2532025年12月
出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」オープンデータ(CC BY 4.0)を集計。

都道府県別の件数は、データページ訪問看護の事業所数(47都道府県別)で確認できます。事業所を探すときは、ゆりの花GUIDE の訪問看護のページで都道府県と市区町村を選んでください。選ぶときの確認点は、対応できる医療処置(在宅酸素、人工呼吸器、腹膜透析など)、24時間対応体制の有無、リハビリ職の在籍、看取りの実績、そして自宅からの距離です。距離が近いほど、緊急時に早く動けます。

まとめ(判断の要点3つ)

  1. 訪問看護の費用は「どちらの保険か」で計算のしくみが変わる。介護保険は単位数×地域の単価、医療保険は日ごとの療養費。
  2. 1割負担・週2回の目安は、介護保険(30分以上1時間未満)で月 6,584円程度、医療保険で月 7,307円程度。いずれも加算と実費が別で、地域と負担割合で変わる(2024年改定の金額)。
  3. 要介護認定があれば介護保険が原則。末期の悪性腫瘍・神経難病・急な悪化のときは医療保険になり、週3日の制限が外れる。

次に読む記事:入院から自宅へ。退院後3か月の介護サービスの組み立て方、看取りの準備。訪問看護の事業所は、ゆりの花GUIDE の訪問看護のページから地域で探せます。

この記事は、制度の改定があれば更新します。次回の確認予定は 2027年4月(報酬改定の時期)です。

よくある質問

訪問看護の1回の費用はいくらですか。

介護保険の訪問看護ステーションからの訪問は、2024年改定で 20分未満 314単位、30分未満 471単位、30分以上1時間未満 823単位、1時間以上1時間30分未満 1,128単位です。1単位10円の地域で1割負担なら、それぞれ 314円・471円・823円・1,128円が目安です(出典1、出典2)。医療保険は1日 5,550円(週3日目まで)が基本で、1割負担なら 555円に月ごとの管理療養費が加わります(出典4)。

訪問看護を毎日利用すると費用はいくらですか。

医療保険で毎日(月30日)利用する場合、週4日目以降は基本療養費が 6,550円になります。週3日×4週=12日を 5,550円、残り18日を 6,550円とすると、基本療養費は 184,500円、管理療養費は 7,670円+3,000円×29日=94,670円で、合計 279,170円。1割負担なら約 27,900円が目安です(出典4、2024年6月改定)。毎日の訪問は厚生労働大臣が定める疾病等か特別訪問看護指示書がある場合に限られ、高額療養費の上限も適用されます。

訪問看護は医療保険と介護保険のどちらを使いますか。

要支援・要介護の認定がある方は原則として介護保険です。認定がない方、40歳未満の方、厚生労働大臣が定める疾病等(末期の悪性腫瘍など)に該当する方、特別訪問看護指示書が出ている期間は医療保険です。どちらになるかは制度上決まるため、事業所とケアマネジャー、主治医が確認します。

静岡県と沖縄県に訪問看護の事業所はいくつありますか。

厚生労働省「介護サービス情報公表システム」の公表データをもとにゆりの花GUIDE が集計した件数を、本文の表とデータページ(https://guide.yurinohana.co.jp/data/homon-kango/)で公開しています。表の数字は毎月更新されます(集計の基準月は表に表示)。

訪問看護の費用は医療費控除の対象になりますか。

医療保険で受けた訪問看護の自己負担は医療費控除の対象です。介護保険の訪問看護も、医療系サービスとして自己負担分が対象になります。領収書(または明細)を保管し、確定申告で申告してください。詳しくは国税庁の案内か税務署で確認してください。

この記事の監修・編集
ゆりの花GUIDE 編集部

ゆりの花グループ(静岡・沖縄)の介護・訪問マッサージの現場の知見をもとに、公的資料を確認して編集しています。

公開 2026年9月16日/更新 2026年10月15日

出典・参考

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キーワード: #訪問看護 医療保険 介護保険 違い#訪問看護 自己負担#訪問看護 費用

本記事は公開時点の制度・公的資料にもとづいています。制度は改定されることがあるため、最新の内容は各自治体・厚生労働省の案内でご確認ください。個別の状況については、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターにご相談ください。