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訪問鍼灸を健康保険(療養費)で受けるには:対象6疾患と費用

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訪問はり・きゅう(鍼灸)を健康保険(療養費)で受けられる6疾患、医師の同意書と6か月ごとの再同意、医療機関との併用の決まり、2026年7月改定の訪問施術料による自己負担の計算例、沖縄県での探し方をまとめました。

訪問はり・きゅう(訪問鍼灸)とは、はり師・きゅう師(国家資格)が、歩行が難しいなどの理由で施術所に通えない人の自宅や入居先の施設を訪問して行うはり・きゅうの施術で、神経痛・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症などについて医師の同意があるときに、健康保険の療養費を使って受けられるものである(厚生労働省「はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給について」2026年、九州厚生局「同意書の取扱い」2025年、出典1・出典4)。費用は厚生労働省が定める算定基準額で全国共通で、2026年(令和8年)7月の改定後、自宅で 1 人に対して行う訪問施術料は 1 術(はりまたはきゅう)3,950円、2 術(はり・きゅう併用)4,120円である(出典1・出典2)。

「鍼灸は保険で受けられるのか」「どの病気なら対象か」「1 回いくらで、何割負担か」。はり・きゅうの相談で多いのは、この 3 つです。はり・きゅうの療養費は、訪問マッサージと同じ厚生労働省の通知で決まっていますが、対象になる傷病が 6 つに限られること、医療機関で同じ病気の治療を受けている間は対象にならないこと、費用の単位が「局所」ではなく「1 術・2 術」であることなど、決まりが違う点が多く、混同されやすい分野です。

この記事では、健康保険(療養費)を使って受けられる人の条件、医師の同意書のもらい方と 6 か月ごとの再同意、医療機関との併用の決まり、2026年(令和8年)7月改定の訪問施術料にもとづく自己負担の計算例、介護保険との関係、利用までの手順と現場でつまずきやすい点、沖縄県での施術所の探し方をまとめました。金額はいずれも目安で、実際の額は施術所の説明と領収証・明細書で確認してください。訪問マッサージ(筋麻痺・関節拘縮が対象)は 健康保険(療養費)を使って受ける訪問マッサージ で別に扱っています。

訪問はり・きゅうとは(できること・できないこと)

はり・きゅうは、はり師・きゅう師(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律にもとづく国家資格)が行う施術です。施術所に通って受けるのが基本ですが、歩行が難しいなどのやむを得ない理由で通えない人には、施術者が自宅や施設を訪問して行う「訪問」の形があります(九州厚生局「同意書の取扱い」2025年、出典4)。

健康保険(療養費)の対象になるのは、医師が「医師による適当な治療手段がない」として同意した 6 疾患などについての施術です。療養費は、本来は医療機関で受ける「療養の給付」に代えて、やむを得ない場合に現金で支給される仕組みで、はり・きゅうはその一つとして、保険者(加入している健康保険)が支給の適否を判断します(協会けんぽ「はり・きゅう等のかかり方」、出典5)。

できないこともあります。はり師・きゅう師は医師ではないため、診断・投薬・注射はできません。美容目的や疲労回復・疾病予防を目的とした施術は対象になりません(出典4)。また、施術料・訪問施術料は 1 日 1 回に限り支給され、同じ日に行うはりときゅうは 2 術として扱われます(中国四国厚生局の研修資料 2026年、出典2)。

はり・きゅうの「術」の数え方も押さえておきます。費用は、はりだけ、またはきゅうだけを行う「1 術」と、はりときゅうを併せて行う「2 術」で分かれ、2 術のほうが 1 回の額が少し高くなります(出典1・出典2)。電気針や電気温灸器を使った場合は、1 回 100円の電療料が加算されます(出典1・出典2)。

対象になる人:6 疾患と医師の同意(3 つの質問で判断)

健康保険(療養費)を使ってはり・きゅうを受けられるかどうかは、次の 3 つで決まります(出典4・出典5)。

質問はいいいえ
1. 病名は、神経痛・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症の 6 つ、またはこれらと同じ範ちゅうの慢性的な痛みを主症とする疾患ですか質問 2 へ6 疾患以外は、保険者が個別に支給の適否を判断する(出典4)。事前に加入している健康保険に確認する。美容・疲労回復が目的なら対象外
2. 主治医(保険医)が診察のうえ、はり・きゅうの同意書を交付してくれますか質問 3 へ対象外。同意のない施術は健康保険の対象にならない(出典5)。まず主治医に相談する
3. その病気について、医療機関での治療(薬や湿布の処方を含む)を受けていませんか健康保険(療養費)を使って受けられる。通えない理由があれば、同意書の「訪問又は往療」欄に医師が記入し、訪問で受けられる(出典4)対象外。同じ傷病で医療機関の治療と並行する間は、はり・きゅうは健康保険の扱いにならない(出典5)。同意書を交付するための診察・検査は除く(出典4)

質問 1 の 6 疾患は、同意書の様式の病名欄に印刷されているもので、医師がこの 6 疾患について同意書を交付すれば、保険者は「保険医による適当な治療手段のないもの」として支給の対象にして差し支えないとされています。慢性期に至らないものも差し支えなく、6 疾患と同じ範ちゅうの慢性的な痛みを主症とする疾患は「7. その他」に病名を書いて同意します(出典4)。「頸腕症候群」は「頸肩腕症候群」と書いて差し支えありません(出典4)。

質問 3 が、訪問マッサージとの大きな違いです。はり・きゅうでは、同意する疾病について医師が処置や投薬などの治療を行う場合は治療が優先され、その間は療養費を受けられません(出典4)。たとえば腰痛症で整形外科に通い、痛み止めや湿布を処方されている人は、同じ腰痛症についてのはり・きゅうを健康保険(療養費)で受けることはできません。主治医と相談し、どちらで続けるかを決める必要があります。

年齢の条件はありません。訪問の必要性(歩行が難しいなど)は、同意書の「訪問又は往療」欄で医師が判断します。「訪問」は歩行困難などのやむを得ない理由で通所が難しい場合に定期的・計画的に施術すること、「往療」は突発的な事情で通所が難しい場合に施術することを指し、独歩による公共交通機関の利用が困難、認知症や視覚・内部・精神の障がいで単独の外出が困難、といった外出の制限の状況を踏まえて医師が記入します(出典4)。

費用の決まり方:2026年7月改定の算定基準額と自己負担の計算例

はり・きゅうの療養費の額は、厚生労働省が定める算定基準額で全国共通です。2026年(令和8年)7月1日以降の施術分から適用されている額は次のとおりです(厚生労働省 保発0605第8号・保医発0605第3号 2026年、中国四国厚生局・東北厚生局の研修資料 2026年、出典1・出典7・出典2・出典3)。訪問施術料の区分は「同じ日に同じ建物で施術を行った患者の数」で決まります。

項目1 術(はりまたはきゅう)2 術(はり・きゅう併用)備考
初検料(初回のみ)2,000円2,320円改定前 1,950円・2,230円
施術料(施術所に通う場合)1,650円1,820円改定前 1,610円・1,770円
訪問施術料 1(同じ日・同じ建物で 1 人。自宅など)3,950円4,120円改定前 3,910円・4,070円
訪問施術料 2(2 人)2,800円2,970円改定前 2,760円・2,920円
訪問施術料 3(3〜9 人。施設など)2,110円2,280円改定前 2,070円・2,230円
訪問施術料 4(10〜19 人)1,800円1,970円改定前の「10 人以上」(1,760円・1,920円)を 2 区分に分けて新設
訪問施術料 5(20 人以上)1,720円1,890円同上
電療料(電気針・電気温灸器・電気光線器具を使用)1 回 100円変更なし
往療料(突発的な往療)1 回 2,300円訪問施術料との併算定は不可
施術報告書交付料480円再同意の前に施術者が医師に交付
明細書発行加算10円2026年7月に新設。明細書を無償で発行した場合

2 つの決まりが費用に関わります。1 つは月 16 回以降の逓減で、1 か月に 16 回目以降の施術は、施術料・訪問施術料・電療料が所定の額の 100 分の 50 で算定されます(出典1・出典2)。もう 1 つは自己負担の割合で、療養費の額に、加入している健康保険の負担割合(年齢と所得に応じて 1〜3 割)をかけた額が自己負担です。受領委任(後述)を扱う施術所では、この自己負担分だけを窓口で払います(出典5)。

計算例 1(施術所に通う場合。腰痛症、2 術、週 1 回、1 か月 4 回)
初検月:初検料 2,320円+施術料 1,820円×4 回=9,600円。自己負担は 1 割で 960円、3 割で 2,880円。2 か月目以降:1,820円×4 回=7,280円。自己負担は 1 割で 728円、3 割で 2,184円が目安です(出典1・出典2)。

計算例 2(自宅への訪問。神経痛、2 術、週 2 回、1 か月 8 回、同じ日に同じ建物で 1 人)
初検月:初検料 2,320円+訪問施術料 1(2 術)4,120円×8 回=35,280円。自己負担は 1 割で 3,528円、3 割で 10,584円。2 か月目以降:4,120円×8 回=32,960円。自己負担は 1 割で 3,296円、3 割で 9,888円が目安です(出典1・出典2)。同じ回数でも、通所の計算例 1 に比べて訪問は 1 回あたり 2,300円高く、施術者が移動する分が訪問施術料に含まれていることが分かります。

計算例 3(入居先の施設への訪問。五十肩、1 術、週 3 回、1 か月 12 回、同じ日に同じ建物で 3〜9 人、電気針を使用)
2 か月目以降:訪問施術料 3(1 術)2,110円×12 回+電療料 100円×12 回=26,520円。自己負担は 1 割で 2,652円、3 割で 7,956円が目安です(出典1・出典2)。施設では同じ日に複数の入居者が施術を受けることが多く、1 人あたりの訪問施術料は自宅より低くなります。なお、週 4 回(1 か月 17 回)に増やすと、16 回目以降は訪問施術料と電療料が 100 分の 50 になります(出典1・出典2)。

注意点が 3 つあります。(1) 計算例は算定基準額だけで計算しており、特別地域加算(1 回 250円。離島などの指定地域)、往療料、施術報告書交付料は含めていません。(2) 自己負担の割合は、70 歳未満は原則 3 割(義務教育就学前は 2 割)、70〜74 歳は原則 2 割、75 歳以上は原則 1 割で、所得により変わります(厚生労働省「医療費の一部負担(自己負担)割合について」、出典12)。自分の割合は、保険証(マイナ保険証の資格情報)や加入している保険者の案内で確認してください。(3) 自費で受ける施術の額は施術所ごとに決まり、この記事では扱いません。健康保険(療養費)を使うか自費かで、受けられる施術の範囲も変わるため、施術所に事前に確認してください。

介護保険との関係:区分支給限度額には入らない。訪問マッサージ・訪問リハビリテーションとの違い

はり・きゅうの療養費は健康保険の制度で、介護保険のサービスではありません。そのため、介護保険の区分支給限度基準額(要介護度ごとの 1 か月の上限単位数)には含まれず、訪問介護やデイサービスを上限近くまで使っている人でも、別に受けられます。一方、介護保険の訪問リハビリテーション(理学療法士などが訪問)は介護保険の枠に入ります。似た場面で検討されることが多い 3 つを、同じ項目で並べます。

項目訪問はり・きゅう訪問マッサージ訪問リハビリテーション
行う人はり師・きゅう師あん摩マッサージ指圧師理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
使う制度健康保険(療養費)健康保険(療養費)介護保険(要介護・要支援の認定がある場合)。医師の指示が必要
対象神経痛・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症など(出典4)筋麻痺・筋萎縮・関節拘縮など、医師が医療上マッサージを必要と認めた症状(出典4)心身の機能の維持回復と日常生活の自立のための訓練
医師の関わり同意書(6 か月ごとに文書で再同意)(出典4・出典5)同意書(6 か月ごと。変形徒手矯正術は 1 か月ごと)(出典4)指示書(ケアプランにもとづく)
医療機関で同じ病気の治療を受けている間健康保険の扱いにならない(出典5)同一疾病について医療機関が医療上のマッサージを行った日は支給されない(出典4)医療の外来リハビリとの併用には制限がある(ケアマネジャーに確認)
費用の単位1 術・2 術(出典1)局所数(1〜5 局所)(出典1)単位数×単価×負担割合
介護保険の上限含まれない含まれない含まれる

介護保険を使っている人は、ケアマネジャーに「健康保険(療養費)のはり・きゅうを受けている」ことを伝えておくと、訪問リハビリテーションや訪問看護との時間の調整がしやすくなります。訪問看護の費用の決まり方は 訪問看護の費用と自己負担の計算例 にまとめています。

利用までの手順:同意書・受領委任・申請書と、現場でよくあるつまずき

利用までの流れは、(1) 施術所に相談 → (2) 主治医の診察と同意書の交付 → (3) 施術の開始(受領委任の場合は申請書への署名)→ (4) 6 か月ごとの再同意、の順です。

  1. 施術所に相談する:病名、通院の状況(同じ病気で薬や湿布を処方されていないか)、通えない理由(歩行の状態)を伝えます。施術所は同意書の様式を用意し、医療機関に渡す「同意書の依頼状」を添えるのが一般的です。かかりつけ医がいない場合は、施術所やケアマネジャーに相談すると、近くの医療機関や訪問診療につないでもらえます。
  2. 医師の診察と同意書:保険医が患者を診察したうえで同意書を交付します。初診でも交付できます(治療が先行している必要はありません)が、電話だけの再診やオンライン診療では交付できません(出典4)。同意書には病名、同意区分(初回の同意・再同意)、診察日、「訪問又は往療」の必要の有無とその理由が記入されます(出典4)。
  3. 施術の開始。償還払いか受領委任か:療養費は、いったん全額を払って後から保険者に申請する「償還払い」が原則です。はり・きゅうは「受領委任」も認められており、受領委任を扱う施術所では、患者は自己負担分だけを施術者に払い、施術者が残りを保険者に請求します。受領委任の場合は、施術のときに療養費支給申請書への患者の署名が必要です(出典5)。受領委任を扱えるのは、地方厚生(支)局長と都道府県知事の承諾を受けた施術所と施術管理者に限られます。
  4. 6 か月ごとの再同意:同意書にもとづいて支給される期間は 6 か月です。続けるときは、施術者が施術報告書(交付料 480円)を医師に渡し、医師が診察のうえ文書で再同意します(出典4・出典2)。

現場でよくあるつまずき 3 つ

1 つ目は、医療機関との併用です。腰痛症や五十肩で整形外科に通い、薬や湿布を処方されたまま、はり・きゅうを健康保険(療養費)で始めてしまうと、保険者の審査で支給されず、後から全額を払うことになります。同意書を書いてもらう医師に「この病気の治療は、はり・きゅうで続ける」ことを確認してもらい、処方が続くなら自費で受けるか、どちらかを選びます(出典4・出典5)。

2 つ目は、同意書の「訪問又は往療」欄です。通えない理由が書かれていないと、訪問施術料ではなく通所の施術料でしか算定できないことがあります。歩行の状態、公共交通機関を使えない理由、認知症の有無などを、診察のときに医師に伝えてください(出典4)。

3 つ目は、申請書と保険者からの照会です。療養費支給申請書は、傷病名・施術の日数・金額を確認したうえで患者本人が記入・署名します。保険者から施術の年月日や内容について文書で照会されることがあり、回答は必ず本人(または家族)が書きます。長期かつ頻回に施術を受けている人は、保険者が受領委任の取扱いを中止して償還払いに変更することがあります(出典5)。領収証は医療費控除に必要なので保管してください(出典5)。

沖縄県で訪問はり・きゅうを探す:受領委任の申出の窓口と施術所の一覧

受領委任を扱う施術所は、地方厚生(支)局長と都道府県知事に申し出て、承諾を受けています。沖縄県内の施術所の申出の窓口は、九州厚生局沖縄事務所です。九州厚生局は「はり、きゅう及びあん摩マッサージ指圧の受領委任取扱い 施術所一覧表」を公表しており、施術所ごとに「はり・きゅう・あん摩」のどの施術種類を扱うか、出張専門かどうか、施術管理者の氏名と承諾年月日が載っています(九州厚生局、令和8年10月1日現在の一覧、出典6)。訪問でのはり・きゅうを探すときは、この一覧の「施術種類」に「はり きゅう」があり、かつ訪問に対応している施術所を選びます。

ゆりの花GUIDE の 沖縄県の施術所一覧 では、市町村と施術の種類から探せます。訪問に対応する施術所は 訪問対応の施術所 にまとめています。健康保険(療養費)の制度の全体は 健康保険で受けるには をご覧ください。

施術所を選ぶときの確認点は 4 つです。(1) 受領委任を扱っているか(自己負担分だけの支払いで済むか)。(2) 同意書の依頼状と施術報告書を医療機関に出してくれるか。(3) 訪問の対応エリアと、同じ日に同じ建物で施術する人数(訪問施術料の区分が変わる)。(4) 明細書を発行してくれるか(2026年7月から明細書発行加算 10円。出典1)。

まとめ(判断の要点 3 つ)と、沖縄・那覇での相談先

  1. はり・きゅうを健康保険(療養費)で受けられるのは、神経痛・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症などについて、保険医が診察のうえ同意書を交付した場合。同じ病気で医療機関の治療(薬・湿布の処方を含む)を受けている間は対象にならない(出典4・出典5)。
  2. 費用は全国共通の算定基準額。2026年7月改定で、自宅への訪問は 1 術 3,950円・2 術 4,120円、施設(3〜9 人)は 2,110円・2,280円、初回に初検料 2,000円・2,320円。自己負担は 1〜3 割で、自宅・2 術・週 2 回の例は 1 割で月 3,296円が目安(出典1・出典2)。
  3. 同意書は 6 か月ごとに文書で再同意。受領委任を扱う施術所なら自己負担分だけの支払いで済む。介護保険の上限には入らないため、介護保険のサービスと別に受けられる(出典4・出典5)。

沖縄県那覇市周辺で訪問のはり・きゅうを相談できる施設として、ゆりの花GUIDE に掲載している 2 つの施術所を案内します。いずれも、医師の同意があれば健康保険(療養費)を使って受けられます。

あさひ訪問治療院(那覇市を中心に、車でおよそ 30 分の範囲)
はり・きゅうとあん摩マッサージ指圧の訪問施術。健康保険(療養費)の申請ができます(医師の同意が必要)。受付時間:月・火・木・金 9:00〜18:00。

あさひ訪問治療院の案内ページ 電話 080-1989-7111

瑞海鍼灸院(那覇市首里石嶺町)
はり・きゅうの施術所。医師の同意があれば健康保険も利用できます。訪問施術については、案内ページの連絡先からご相談ください。受付:平日 9:00〜17:30、土曜 9:00〜18:00(日曜・祝日は休診)。

瑞海鍼灸院の案内ページ 電話 098-886-5571

次に読む記事:健康保険(療養費)を使って受ける訪問マッサージ。同意書と費用、退院後の介護の始め方。

この記事は、あはき療養費の改定通知や、療養費検討専門委員会の資料が出たときに更新します。次回の確認予定は 2027年4月です。

よくある質問

鍼灸(はり・きゅう)は健康保険(療養費)を使って受けられますか。

受けられます。ただし条件が 3 つあります。(1) 対象の傷病であること(神経痛・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症の 6 疾患と、これらと同じ範ちゅうの慢性的な痛みを主症とする疾患)、(2) 医師がはり・きゅうの施術に同意し、同意書を交付していること、(3) 医師による適当な治療手段がないこと、です(協会けんぽ「はり・きゅう等のかかり方」、九州厚生局 2025年、出典5・出典4)。医師の同意のない施術は健康保険の対象になりません(出典5)。美容や疲労回復が目的の施術は対象外で、全額自己負担です。

鍼灸で健康保険(療養費)の対象になる病名は何ですか。リウマチや自律神経失調症は対象ですか。

同意書の病名欄にある 6 疾患は、神経痛、リウマチ、頸腕症候群(頸肩腕症候群と書いても差し支えない)、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症です(九州厚生局 2025年、出典4)。リウマチは 6 疾患に入ります。6 疾患と同じ範ちゅうで慢性的な痛みを主症とする疾患は、同意書の「7. その他」に病名を書いて同意することができ、それ以外の疾患については保険者(加入している健康保険)が個別に支給の適否を判断します(出典4)。自律神経失調症のように痛みを主症としない病名は、6 疾患に当たらないため、加入している保険者に事前に確認してください。

訪問の鍼灸は 1 回いくらですか。何割負担ですか。

2026年(令和8年)7月の改定後、自宅で 1 人に対して行う訪問施術料は、はりまたはきゅうのどちらか(1 術)で 3,950円、はり・きゅう併用(2 術)で 4,120円です。同じ日に同じ建物で 2 人に施術する場合は 2,800円・2,970円、3〜9 人の場合は 2,110円・2,280円で、初回には初検料(1 術 2,000円、2 術 2,320円)が加わります(厚生労働省 保発0605第8号 2026年、中国四国厚生局 2026年、出典1・出典2)。自己負担はこの額に健康保険の負担割合(年齢と所得に応じて 1〜3 割)をかけた額です(出典12)。自宅・2 術・週 2 回(月 8 回)の例では、2 か月目以降の自己負担が 1 割で月 3,296円、3 割で月 9,888円です(本文の計算例 2)。

医師の同意書は、どの医師に、どのくらいの期間ごとに書いてもらうのですか。

保険医(健康保険を扱う医療機関の医師)が、患者を診察したうえで交付します。電話だけの再診やオンライン診療では交付できず、診察のない同意は認められていません(九州厚生局 2025年、出典4)。同意書にもとづいて療養費が支給される期間は 6 か月で、6 か月を超えて続けるときは、医師が改めて診察し、文書で再同意します(出典4・出典5)。再同意の前に、施術者が「施術報告書」を医師に渡して経過を伝える仕組みがあり、医師はその内容を確認することが求められています(出典4)。

病院で同じ病気の治療を受けながら、鍼灸を健康保険(療養費)で受けられますか。

受けられません。はり・きゅうの施術を受けながら、並行して医療機関で同じ傷病の診療を受けた場合、はり・きゅうの施術は健康保険の扱いになりません。医師から薬や湿布を処方された場合も治療行為にあたり、同じ扱いです(協会けんぽ、出典5)。同意書を交付するために必要な診察・検査は除かれます(九州厚生局 2025年、出典4)。これは、筋麻痺・関節拘縮を対象とする訪問マッサージとの大きな違いで、現場でよくあるつまずきです。

この記事の監修・編集
ゆりの花GUIDE 編集部

ゆりの花グループ(静岡・沖縄)の介護・訪問マッサージの現場の知見をもとに、公的資料を確認して編集しています。

公開 2026年10月27日/更新 2026年10月27日/内容確認 2026年10月25日

出典・参考

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キーワード: #はり きゅう 療養費#訪問鍼灸#訪問鍼灸 費用#鍼灸 保険#鍼灸 同意書

本記事は公開時点の制度・公的資料にもとづいています。制度は改定されることがあるため、最新の内容は各自治体・厚生労働省の案内でご確認ください。個別の状況については、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターにご相談ください。