介護保険の改定と利用者への影響 — 令和6年度改定と2025年8月の見直し
介護報酬は原則3年ごとに見直されます。直近の改定は令和6年度(2024年度)で、2024年4月(一部は6月)に施行されました。次の改定は令和9年度(2027年度)の予定です。ここでは、利用者とご家族の負担に関わる点にしぼって整理します。
令和6年度改定の4つの柱
- 地域包括ケアシステムの深化・推進
- 自立支援・重度化防止に向けた対応
- 良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり
- 制度の安定性・持続可能性の確保
利用者・家族に関係する主な変更
1. 基準費用額の見直し(2024年8月)
施設に入所した際の食費・居住費の基準となる額が引き上げられました。所得の低い方には負担限度額認定(補足給付)の仕組みがあり、認定を受けることで自己負担に上限が設けられます。認定は申請が必要です。該当しそうな場合は市区町村の窓口で確認してください。
2. 多床室の室料負担(2025年8月)
介護老人保健施設と介護医療院の多床室(相部屋)について、一定の条件に該当する場合に室料相当額の負担が新たに導入されました。対象となる施設・部屋かどうかは施設により異なります。入所中・入所予定の方は、施設に負担額の変更の有無を確認してください。
3. 介護職員の処遇改善加算の一本化
これまで3種類に分かれていた処遇改善の加算が、1種類4段階の「介護職員等処遇改善加算」に統合されました。職員の賃金改善が目的の加算ですが、加算はサービス費用の一部であるため、自己負担割合に応じて利用者の支払額にも反映されます。
4. 訪問介護の基本報酬の引き下げ
訪問介護の基本報酬が引き下げられた一方、処遇改善加算の加算率は引き上げられました。この改定については、事業者の経営や人材確保への影響が国会や審議会でも取り上げられ、厚生労働省が影響の調査を行う方針を示しています。お住まいの地域で訪問介護事業所の状況が変わる可能性があるため、サービスの継続に不安がある場合は早めにケアマネジャーへ相談してください。
5. 見送られた事項
ケアプラン作成の有料化は、今回も見送られました。在宅サービスのケアプラン作成は引き続き全額が保険給付で、利用者の負担はありません。
制度の下支え(変わらない仕組み)
- 高額介護サービス費:1か月の自己負担額が所得区分ごとの上限を超えた場合、超えた分が払い戻されます。初回は申請が必要です
- 高額医療・高額介護合算療養費:1年間の医療と介護の自己負担を合算し、上限を超えた分が払い戻されます
- 負担限度額認定(補足給付):所得と資産の要件を満たす方の、施設での食費・居住費の負担に上限を設けます
いずれも自動では適用されません。心当たりがあれば、市区町村の介護保険窓口で申請の可否を確認してください。
これから予定されていること
次期改定は令和9年度(2027年度)の予定で、介護情報基盤の整備、医療と介護の連携強化、生産性向上の取り組みが引き続き議論されています。利用者負担割合の見直しなども継続して検討課題に挙がっています。決定した内容は厚生労働省から公表されますので、本記事も随時更新します。
よくあるご質問
- 自己負担が急に増えました。何を確認すればよいですか
- まず、負担割合の変更(前年の所得による見直しは毎年8月)、施設の食費・居住費の変更、サービス内容の変更の3点を確認してください。そのうえで、高額介護サービス費や負担限度額認定の対象になっていないか、市区町村の窓口でご相談ください。
- 処遇改善加算は利用者が払うものですか
- 加算はサービス費用の一部として計算されるため、自己負担割合に応じた額をご負担いただくことになります。職員の賃金改善に充てられる仕組みです。
- 次の改定はいつですか
- 介護報酬は原則3年ごとの改定で、次期は令和9年度(2027年度)が予定されています。
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本記事は、厚生労働省および各公的機関の公表資料をもとに、ゆりの花GUIDE編集部が作成しています。制度の適用や金額はお住まいの市区町村・加入している保険により異なります。個別のご相談は、担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、各事業所へお問い合わせください。施術やサービスの効果に関する情報は掲載していません(編集方針)。
ゆりの花グループ(静岡・沖縄)の介護・訪問マッサージの現場の知見をもとに、公的資料を確認して編集しています。
公開 2026年9月16日/更新 2026年9月16日
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本記事は公開時点の制度・公的資料にもとづいています。制度は改定されることがあるため、最新の内容は各自治体・厚生労働省の案内でご確認ください。個別の状況については、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターにご相談ください。