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介護付と住宅型の有料老人ホームの違い。費用とサ高住・特養との比較

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介護付と住宅型の有料老人ホームの違いを、介護の提供元・費用の仕組み・入居一時金の確認点から整理。サ高住・特養・グループホームとの比較、判断の3つの問い、見学の確認点を、公的資料にもとづいて解説します。

有料老人ホームとは、老人福祉法にもとづき、高齢者を入居させて「入浴・排せつ・食事の介護」「食事の提供」「洗濯・掃除などの家事」「健康管理」のうち少なくとも1つを提供する施設で、都道府県知事等への届出が必要です(出典1)。このうち、施設の職員が介護保険の介護サービスまで提供するのが「介護付」、介護サービスは入居者が外部の事業所と個別に契約して使うのが「住宅型」で、違いの中心は「介護を誰が、どういう仕組みで提供するか」にあります(出典1、出典2)。

名前が似ているため、「どちらが安いか」「どちらが手厚いか」と聞かれることが多いのですが、答えは本人の介護の必要量と、これからの見通しで変わります。取り違えると、入居後に「想定していた介護が受けられない」「介護が増えて費用が膨らんだ」と感じやすいため、契約の前に仕組みを押さえておくことが大切です。

この記事では、介護付と住宅型の違いを制度にもとづいて整理し、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、特別養護老人ホーム(特養)、グループホームとの違い、介護サービス費の自己負担の比べ方、入居一時金(前払金)と契約で確認する点、判断の3つの問い、見学で確認する点、静岡県・沖縄県の事業所数(厚生労働省の公表データ)をまとめました。

介護付と住宅型の違いは「介護の提供元」と「費用の仕組み」

有料老人ホームは、介護の提供の仕方で3つの類型に分かれます(出典1、出典2)。実際に数が多いのは介護付と住宅型で、健康型は、介護が必要になると契約を解除して退去する前提の類型です。静岡市内には、健康型に該当する施設はありません(出典2)。

比べる点介護付有料老人ホーム住宅型有料老人ホーム
介護サービスの提供元ホームの職員が提供する(一般型)。外部サービス利用型では、計画作成と安否確認をホームが行い、介護は委託先の事業所が提供する入居者が、訪問介護・デイサービスなど外部の介護サービス事業所と個別に契約して使う
制度上の位置づけ特定施設入居者生活介護の指定を受けている特定施設の指定を受けていない(住まいとして届け出ている)
介護サービス費要介護度ごとの定額(1割負担の場合の1日の目安は、要介護3で679円。出典3)使ったサービスの分だけ。要介護度ごとの上限(区分支給限度基準額)の範囲内は保険給付、超えた分は全額自己負担(出典5)
職員の配置要介護者3人に対し、看護職員・介護職員の合計1人以上が基準(出典4)。夜間も1人以上介護は外部の事業所が担うため、特定施設の人員基準(3:1など)は適用されず、職員体制はホームごとに違う
向いている方介護の必要量が多い、または増えていく見通しで、ホーム内で完結した介護を望む方今の介護の必要量が少なく、使うサービスを自分で選びたい方
表示のルール特定施設の指定があるため「介護付」と表示できる指定がないため、広告に「介護付」「ケア付き」と表示してはならない(出典1、出典2)

見分け方は、特定施設入居者生活介護の指定を受けているかどうかです。厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」で、事業所の提供サービスを確認できます。ゆりの花GUIDE の施設ページでも、提供サービスの欄で確認できます。

介護付と住宅型のしくみ

介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)

介護付の介護サービスは、介護保険の「特定施設入居者生活介護」として提供されます。入居できるのは、要支援1・2、要介護1〜5の認定を受けた方です(出典3)。ホームの職員が、食事・入浴などの日常生活の支援と機能訓練を行います(出典3)。

職員の配置は、厚生労働省の審議会資料(令和2年(2020年)7月)によると、看護職員と介護職員の合計で、要介護者3人に1人、要支援者10人に1人が基準です。看護職員は、利用者が30人までは1人、30人を超える場合は50人ごとに1人、夜間は1人以上の配置とされています(出典4。基準は報酬改定で見直されることがあります)。介護サービス費は要介護度ごとの定額なので、使う量が増えても自己負担は変わりません(要介護度が上がれば定額は上がります)。

住宅型有料老人ホーム

住宅型は、生活支援(食事の提供、掃除、洗濯、健康管理など)がつく「住まい」で、介護が必要になったら、入居者が地域の訪問介護事業所などを選んで契約し、居室で介護を受けます(出典1、出典2)。ケアプランを作るケアマネジャーも、ホームの外の居宅介護支援事業所から選ぶのが一般的です。

注意点は、介護サービスの量です。介護保険には、要介護度ごとに1か月に使える上限があり、上限を超えた分は全額自己負担になります(出典5)。介護の必要量が増えて、外部サービスの利用が上限に近づくほど、費用の見通しが立てにくくなります。入居前に、「要介護度が上がったとき、外部サービスを使う量と費用はどう変わるか」を、ホームとケアマネジャーに試算してもらってください。

サ高住・特養・グループホームとの違い

有料老人ホームと並べて検索されることが多い3つの施設との違いを、表で整理します。

種類根拠・性格介護の受け方入居の条件の目安
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)都道府県知事等に登録する賃貸住宅。床面積は原則25㎡以上、バリアフリー、少なくとも状況把握(安否確認)と生活相談を提供(出典6)多くは住宅型と同様に外部サービスを契約して使う。特定施設の指定を受けたサ高住は、介護付と同じ仕組みになる登録基準は高齢者の居住の安定を図る契約であること。年齢・要介護度の条件は住宅ごと
特別養護老人ホーム(特養)老人福祉法・介護保険法の施設。公的な性格が強く、民間運営の有料老人ホームとは別職員が日常生活の支援・機能訓練・療養上の世話を行う要支援1・2は利用できず、新たに入所する要介護1・2の方は、やむを得ない理由がある場合を除いて利用できない(実質、原則として要介護3以上。出典7)
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)介護保険の地域密着型サービス5〜9人の少人数で、職員の支援を受けながら共同生活を送る認知症の診断があり、要支援2以上。原則として同じ市区町村の住民

有料老人ホームは民間が運営し、入居時期を選びやすい一方、費用は施設ごとに大きく違います。特養は、費用の面で入りやすい反面、申し込んでから入るまで待つことがあります。グループホームは、認知症の方が対象で、住民票の条件があります。それぞれの入居条件と費用は、グループホームの入居条件と費用、認知症の施設の選び方に詳しく書いています。

費用:介護サービス費の比べ方と、保険外の費用

有料老人ホームの費用は、「入居時の費用(入居一時金など)」「月額の費用(家賃相当額、管理費、食費、水道光熱費)」「介護サービス費の自己負担」「その他(医療費、おむつ代、理美容代など)」に分かれます。このうち、介護サービス費だけが介護保険の対象で、負担割合は、所得に応じて1割・2割・3割です(出典8)。ほかは保険外で、ホームごとに自由に決められます。

次の表は、介護サービス費の1割負担の目安を、介護付の1日の定額(30日換算)と、住宅型の「1か月の上限まで使った場合」で並べたものです。1単位を10円として計算しており、地域の単価、加算、実際に使うサービスの量で変わります。

要介護度介護付:1日の定額(1割)介護付:30日の目安住宅型:1か月の上限(単位)住宅型:上限まで使った場合の1割負担
要介護1542円約16,260円16,765約16,765円
要介護2609円約18,270円19,705約19,705円
要介護3679円約20,370円27,048約27,048円
要介護4744円約22,320円30,938約30,938円
要介護5813円約24,390円36,217約36,217円

出典は、介護付が厚生労働省「介護サービス情報公表システム」の表示値(出典3。2026年10月閲覧)、住宅型の上限が区分支給限度基準額です(出典5)。この表の読み方は2つです。

  • 介護の必要量が少ないうちは、住宅型で実際に使う外部サービスは上限よりずっと少ないことが多く、介護サービス費は介護付より低く済むことがあります。
  • 介護が増えて上限に近づくと、住宅型は介護付より高くなることがあります。表のとおり、上限まで使った場合は、要介護1・2では介護付とほぼ同額、要介護3以上では住宅型のほうが高くなります。上限を超えた分は、全額自己負担です(出典5)。介護付は定額のため、見通しを立てやすい一方、介護が少ない時期でも定額を払います。

どちらが安いかは、「今の介護の量」ではなく「これから数年の介護の量」で決まります。保険外の家賃相当額や食費は、金額を比べるときに合計で見てください。パンフレットの「月額」に介護サービス費が含まれているかどうかを、確認する点として押さえてください。

入居一時金(前払金)と契約で確認する点

有料老人ホームの契約で、トラブルになりやすいのが入居一時金(前払金)です。入居時にまとまった額を払い、一定の期間で家賃相当額に充てていく仕組みで、0円の(払わない)ホームから、高額なホームまであります。確認する点は次のとおりです。

  1. 保全措置:前払金を受け取るホームは、前払金を保全する措置を講じたことの書類を、行政への届出に添付することになっています(出典1)。どの方法で保全しているか、重要事項説明書で確認します。
  2. 短期解約の返還:入居後おおむね90日以内に解約する場合、実費を除いて前払金を返す扱い(短期解約特例)が、2006年の有料老人ホームの運営指針に位置づけられています。ただし、2010年の消費者委員会の建議では、一部のホームがこの扱いを重要事項説明書に書いていない、解約の予告期間を長くして実質的に短くしている、といった問題が指摘されました(出典9)。契約前に、書面で確認してください。
  3. 初期償却:前払金のうち、入居と同時に返還の対象から外れる部分です。割合と、償却する期間の長さを、契約書と重要事項説明書で確認します。
  4. 退去の条件:医療処置が増えた場合、他の入居者との生活が難しくなった場合などに、退去を求められる条件を読みます。
  5. 値上げのルール:管理費・食費の改定の手順と、通知の時期。

わからない点は、契約前に、担当のケアマネジャーや、都道府県の有料老人ホームの担当窓口に相談してください。沖縄県は、有料老人ホームの情報開示一覧を公表しており、類型(住宅型・介護付)を確認できます(出典10)。

どちらを選ぶか:3つの問いで絞り込む

問い「はい」のとき「いいえ」のとき
1. 今、毎日の介護や見守りがほぼ必要ですか(要介護3以上が目安)介護付が候補。質問2へ住宅型・サ高住が候補。外部サービスで足りるか、ケアマネジャーに確認
2. これから介護が増える、または医療処置が必要になる見通しですか介護付(看護職員の配置と、看取りの方針を確認)。常時の医療処置が見込まれるなら、介護医療院や特養も検討質問3へ
3. 介護サービスや事業所を、自分で選びたいですか住宅型(使うサービスの量と、上限の目安を試算してもらう)介護付(介護と生活がホーム内で完結する)

要介護度が軽いうちに住宅型に入り、介護が増えたら介護付に住み替える、という選び方もあります。その場合は、住み替えの費用と、住み替え先の空き状況を、入居前に考えておきます。入居一時金を払っている場合は、返還の条件が大きく影響します。

見学で確認する7つの点

  1. 特定施設の指定の有無:介護付か住宅型か。パンフレットの表示だけでなく、重要事項説明書で確認します。
  2. 夜間の職員体制:夜勤の人数、看護職員の有無、緊急時の連絡体制。
  3. 協力医療機関と受診の方法:往診の有無、入院が必要になったときの対応。
  4. 医療的ケアへの対応:インスリン注射、たんの吸引、経管栄養などに対応できるか、どの条件まで対応するか。
  5. 看取りの方針と退去の条件:最期まで住み続けられるのか、どういう場合に退去になるのか。
  6. 要介護度が上がったときの費用の変化:介護付は定額、住宅型は外部サービスの量。両方の試算を依頼します。
  7. 入居者の1日の過ごし方:食事の時間帯に見学し、職員の関わり方と、入居者の表情を見ます。

可能なら、本人と一緒に見学し、複数のホームを比べてください。担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに、希望する地域、予算、医療の必要度を伝えると、候補を絞ってもらえます。

静岡県・沖縄県で探す(事業所数は公表データから)

介護付(特定施設入居者生活介護の指定を受けた有料老人ホーム)の事業所数は、厚生労働省「介護サービス情報公表システム」の公表データをもとに、ゆりの花GUIDE が集計しています。下の表は最新の集計で自動的に更新されます(出典11)。住宅型は介護保険の対象サービスの事業所ではないため、この表には含まれません。住宅型の所在は、静岡県・静岡市・沖縄県が公表している有料老人ホームの情報で確認できます(出典1、出典2、出典10)。

介護付有料老人ホーム

有料老人ホームの事業所数(厚生労働省 介護サービス情報公表システム)
地域事業所数基準
全国4,4672025年12月
静岡県1102025年12月
沖縄県242025年12月
出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」オープンデータ(CC BY 4.0)を集計。

サービス付き高齢者向け住宅(特定施設の指定を受けたもの)

サービス付き高齢者向け住宅の事業所数(厚生労働省 介護サービス情報公表システム)
地域事業所数基準
全国6172025年12月
静岡県112025年12月
沖縄県42025年12月
出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」オープンデータ(CC BY 4.0)を集計。

都道府県別の件数は、データページ(有料老人ホームの事業所数)で確認できます。市区町村から探すときは、ゆりの花GUIDE の有料老人ホームのページで、静岡県、沖縄県を選んでください。

まとめ(判断の要点3つ)

  1. 違いは「介護の提供元」。介護付はホームの職員が介護保険の介護を定額で提供し(特定施設の指定あり)、住宅型は外部の事業所と個別に契約して使う。指定がなければ「介護付」と表示できない。
  2. 介護サービス費は、介護付が要介護度ごとの定額(要介護3で1日679円、30日で約2万円台)、住宅型が使った分だけで、要介護度ごとの上限を超えると全額自己負担。どちらが安いかは、これからの介護の量で決まる。家賃相当額・食費・入居一時金の条件は、介護サービス費とは別に比べる。
  3. 契約の前に、入居一時金の保全措置、90日以内の解約の返還、初期償却、退去の条件を書面で確認する。わからない点は、ケアマネジャーや都道府県の担当窓口に相談する。

次に読む記事:認知症の施設の選び方。グループホームと特養の違い、入る時期、在宅介護の限界が見えた時、どう判断すればいいか、静岡 はとり葵ガーデンの住まい方。

この記事は、制度の改定があれば更新します。次回の確認予定は 2027年4月です。

よくある質問

介護付と住宅型の違いは何ですか。

介護サービスを誰が提供するかが違います。介護付は、特定施設入居者生活介護の指定を受けたホームで、職員が介護保険の介護を要介護度ごとの定額で提供します。住宅型は、生活支援がつく住まいで、介護は入居者が外部の事業所と個別に契約して使います(出典1、出典2)。指定のないホームは、広告に「介護付」「ケア付き」と表示できません。

住宅型と介護付はどちらが安いですか。

介護の必要量で変わります。介護サービス費の1割負担は、介護付が要介護3で1日679円(30日で約20,370円)の定額(出典3)、住宅型は使った分だけで、要介護3の上限は1か月27,048単位(1単位10円・1割負担で約27,048円)です(出典5)。必要量が少ないうちは住宅型が低く済むことがあり、上限に近づくと介護付のほうが低くなります。家賃相当額・食費などの保険外費用は別に比べてください。

有料老人ホームとサ高住の違いは何ですか。

有料老人ホームは老人福祉法にもとづく届出の施設、サ高住は都道府県知事等に登録する賃貸住宅です(出典1、出典6)。サ高住は、床面積が原則25㎡以上で、状況把握(安否確認)と生活相談を提供する基準があります。多くは住宅型と同様に外部サービスを使いますが、特定施設の指定を受けたサ高住は、介護付と同じ仕組みになります。

有料老人ホームと特養の違いは何ですか。

有料老人ホームは民間が運営し、入居時期を選びやすい一方、費用は施設ごとに違います。特養は公的な性格が強く、要支援1・2は利用できず、新たに入所する要介護1・2の方は、やむを得ない理由がある場合を除いて利用できません(出典7)。実質、原則として要介護3以上が対象で、申し込んでから入るまで待つことがあります。

入居一時金は戻りますか。

契約によって違います。入居後おおむね90日以内の解約では、実費を除いて前払金を返す扱い(短期解約特例)が運営指針に位置づけられていますが、一部のホームで説明が不十分だったことが2010年の消費者委員会の建議で指摘されています(出典9)。初期償却の割合、償却する期間、保全措置の方法を、契約前に書面で確認してください(出典1)。

この記事の監修・編集
ゆりの花GUIDE 編集部

ゆりの花グループ(静岡・沖縄)の介護・訪問マッサージの現場の知見をもとに、公的資料を確認して編集しています。

公開 2026年9月16日/更新 2026年10月15日

出典・参考

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本記事は公開時点の制度・公的資料にもとづいています。制度は改定されることがあるため、最新の内容は各自治体・厚生労働省の案内でご確認ください。個別の状況については、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターにご相談ください。